社会人として成長していないことに焦りを感じて転職を決意
そう語るのは、2017年8月に「ライフデリ横浜鶴見店」をオープンさせた黒木正龍オーナー。8歳と6歳の2人の息子を持つ父親でもあります。
神奈川県内の大学を卒業後、食品の輸出入から通関などといった、倉庫業や陸運業を展開する会社に入社。新規プロジェクトの立ち上げメンバーに選ばれるなど、会社の拡大に貢献していきます。しかし、ある焦りを感じ、入社してから6年が経ったときに転職を決意するのです。
そこで、日用消耗品を扱うメーカーの営業職として、第二のキャリアを歩むことになるのです。
しかし、それまでは倉庫内の限られた人としか働いたことがなかった彼にとって、営業職が簡単に務まるわけがありません。そんな当時のことをこう振り返ります。
それでも、少しずつ業務に慣れ、入社から8年が経過したころには部署でも上位の成績を収めるほどに成長。これでようやく仕事も楽しくなる……とはならず、それと同時にある不安が募っていったのです。
低資金で開業でき、将来も需要が高まる業界を条件に比較検討
そんな黒木オーナーは、いつしか会社を退職して「独立」という選択肢を視野に入れるようになるのです。
しかし、経営に関する知識や経験がなかった彼は、フランチャイズでの起業を視野にリサーチをスタートさせるのです。
特に業種は決めずに探していた黒木オーナー。高齢者向けビジネスである配食サービス以外にも、具体的に検討していた業種はいくつかあったといいます。
そうして、さまざまな業種を検討した結果、最終的に候補に残ったのが高齢者への配食サービスだったのです。
現場のリアルな声を聞いて配食サービスの需要を実感
高齢者の配食サービスに軸を絞ってフランチャイズを探しはじめた黒木オーナー。調べた配食サービス系フランチャイズチェーンの全てに資料請求をし、開業資金などさまざまな角度から比較検討します。
なかでも最初に候補として挙がったのは、業界でもトップクラスの店舗数を誇るチェーンでした。どこよりも早くそこの説明会に足を運び、その後、社長との面談を果たしたものの、あることが引っかかって加盟までは至らなかったといいます。
配食サービスだけでなく経営についても未経験の黒木オーナーにとって、すでに加盟店がいるエリアを避けたいのは当然のこと。そこで、次なる候補を探し始めたときに出会ったのが「ライフデリ」だったのです。
そこで、エリアを抑えておける1ヶ月を有意義に使い、収益シミュレーションを自身で作成するなど、開業して成功するか否かをじっくり考えていくのです。
営業経験を活かし、開業1年で130パーセントの売り上げを達成
改めて、配食サービスの需要があることを実感し、「1年半という期間内で家族4人を養っていける」そう考えてライフデリでの開業を決意します。そうして、2017年8月21日にオープンしたのが「ライフデリ横浜鶴見店」なのです。
オープンするまでには、居宅介護支援事業所をはじめ、ケアマネージャー(介護支援専門員)がいる施設をすべてまわった黒木オーナー。その結果、オープン日にはすでに数食の受注をしていたといいます。オープン前にシミュレーションしていた配食数を上回り、幸先の良いスタートを切れたものの、オープンから3ヶ月が経ったころに思いもよらない事態が待っていたのです。
そこで、スタッフを雇って体制を立て直した黒木オーナー。その後は、現状維持の時期はもちろんあるものの、右肩上がりで配食数を増やしていくのです。それには、前職の営業経験が活きていると振り返ります。
損益分岐点は、オープンからおよそ5ヶ月で超えたという黒木オーナー。そして、ぜいたくはできないものの、家族4人が普通に生活できるくらいの収益が出るようになったのが、オープンしてからわずか10ヶ月だったといいます。
開業後は順調に進んでいますが、売上を伸ばすために重要なことは、加盟する前に考えていたこととは違ったといいます。
現状に満足することなく、現在の倍くらいまで配食数を増やしていくことを目標としている黒木オーナー。利用者からの「おいしかった」「ありがとう」という感謝の言葉をやりがいに、これからも社会に貢献し続けます。