大学時代から考えていた独立を叶えるための準備期間
高齢化が進んでいるとはいえ、高齢者への配食サービスの需要があるか分からない。ましてや、「すでに競合がしのぎを削っているエリアで開業するなんてリスクが高すぎる」このストーリーを読んでいる方のなかには、こう考えている方も多いのではないでしょうか。2018年2月に「ライフデリ焼津店」をオープンさせた藁品(わらしな)オーナーもその1人でした。
27歳の若き経営者として活躍する藁品オーナーですが、大学を卒業後は、地元静岡で自動車関連の金型部品などを扱う会社に入社します。しかし、自身が求めていた業務を担当することができず、1年2ヶ月で退社。その後は、独立することを視野にリクルートの営業として歩むことになるのです。
売り上げを積み重ねやすそうな業態で勝負したい
独立の下準備として、経営について学んだり事業のヒントを得たりと、営業としての仕事そっちのけで情報収集に勤しんだ藁品オーナー。しかし、それがフランチャイズで独立するきっかけになるとは、当時の彼は知る由もありません。
タウンワークの営業として2年ほど勤めたのち、退職することを決意。大学生のころから夢見ていた「独立」へと本格的に準備を進めていったのです。
普段から利用する機会が多く、独立後のイメージのしやすさもあり、飲食店で開業しようとする検討者が多いのも事実です。とはいえ、多くの飲食業態が乱立するフランチャイズ業界。一口に「食」と言っても、扱う食材はもちろん、店舗の有無によってもバリエーションはかなりのもの。藁品オーナーは、さまざまな飲食系フランチャイズチェーンに資料請求をし、最終的には3つに絞ったといいます。
いったい、どのような理由で「ライフデリ」への加盟を決意したのでしょうか。
開業資金を抑えられ、将来性のあるライフデリで独立
そうして、長い間悩んだ挙句、食パン専門店のフランチャイズに加盟することはなかったという藁品オーナー。もうひとつ彼が悩んでいた業態がオムライスの専門店です。しかし、これもある理由により選択肢から排除されていくのです。
そして、3つの業態に絞ったなかから、最終的に加盟を決意したのが高齢者配食サービスの「ライフデリ」でした。当時まだ25歳の彼が、数ある業態のなかから高齢者への配食サービスに絞ったのには理由がありました。
とはいえ、高齢者への配食サービスを展開するフランチャイズチェーンは、なにも「ライフデリ」だけではありません。ほかにも複数のフランチャイズチェーンが配食サービスを展開しています。
思いやりを大切にすることで、利用者に選んでもらえる配食サービスに
そうして、ライフデリへの加盟を決意した藁品オーナー。開業した焼津エリアは、すでに複数の競合が肩を並べていることから、不安もあったといいます。しかし、2018年2月のオープン早々、幸先の良いスタートを切ることに成功するのです。
ちなみに、市の指定配食サービス業者に認可されると、利用者は補助金を受けられるので、定価よりもリーズナブルに配食サービスを利用することができるのです。
行政の後押しにより、配食数を爆発的に増やした「ライフデリ焼津店」。その後も右肩上がりに食数を増やし続けているといいます。とはいえ、現状は急激な受注増に対応するのに必死で、ほぼ営業活動ができていない状態。いったい、どのようにして増やしているのでしょうか。
配食数を底上げしているのは、ライフデリのお弁当が安くておいしいだけではありません。高齢者配食サービスには人と人との関わりや思いやりを大切にすることが、最も重要なポイントだというのです。
今後はエリアを拡大することも検討しているという藁品オーナー。3年で1万食を目指し、その後は異なる飲食業態でのチャレンジも見据えています。地域社会に貢献することはもちろん、自身のさらなる夢を叶えるために走り続けます。