10年間共に働いてきた仲間と独立。配食ビジネスで新たな人生をスタート。

ライフデリ橿原店(田中 俊光)
40歳を前に脱サラを考え始める。前職で培った経験を活かせる配食ビジネスに興味を持ち始め、10年間ともに働いてきた仲間と独立を決意。奈良県橿原市で開業後、お客様や行政からの信頼を得て、着実に売上を伸ばす。現在は本部との契約を追加して、橿原市・大和高田市・大和郡山市・香芝市・北葛城郡・生駒郡・磯城郡への配送をカバーしている。

独立・起業のきっかけ

10年間ともに働いてきた仲間と独立を決意。経験を活かせる配食ビジネスで新たな人生をスタート。

もともと皆さんはお知り合いだったとのことですが、どのような経緯で独立されたのですか?
田中
10年同じグループ会社に勤めていました。きっかけは2013年1月でしたね・・・仲間内の新年会で、冗談半分で独立の話が出てきたんです。その話を真に受けた私がインターネットや雑誌から情報を収集し始めました(笑)

前職ではお花や食品を個人宅を中心に宅配する会社で、営業や配達、仕入や企画などをそれぞれ担当していました。今まで経験を活かせて、かつ数名で始められたらということを前提にビジネスを探し始めました。

その中で見つけたのが、この配食ビジネスです。

経験を活かせますし、高齢者化社会に将来性もあり、開業費用も比較的低くて手の届くビジネスだったということが理由でした。 配食ビジネスに興味を持ち始めてから、新年会で話をしていた数名で他社のFCでしたが大阪での説明会に参加してみることにしました。配食ビジネスのイメージも湧きましたし、おもしろそうだなと思い、やってみたいという気持ちに変わりました。そのときに一緒にやってみようかとなったのが私と隣にいる田合でした。

田合さまにお伺いしたいのですが、独立の話が具体的になった時のお気持ちは?
田合
やはり、いずれは自分で商売をしたいなという思いはありましたし、高齢者向けの配食ビジネスは絶対に必要なサービスで、今後も増えていくだろうなと思っていたので、楽しみだなという気持ちが強かったですね。正直実感は湧いていませんでしたが、話だけは聞いてみようと思いましたね。
田中
タイミングが良かったのもあります。私が現在40歳で、これから20数年サラリーマンを続けて行くことを想像した時、終身雇用などもなかなか難しく、社会保障も縮小していくことを考えると、5年後、10年後では遅い・・・今独立して将来を考えた方が良いのかなという思いが出てきました。また業界のことを知れば知るほど、この機会を逃してはいけないなと思って、ライフデリの1ヶ月先の大阪の説明会を待ちきれず、私1人、東京の説明会に参加することにしました。
なるほど。年齢的に独立を考えるタイミングであったことに加え、田中様の行動力がきっかけとなり独立が本格的になってきたのですね。配食ビジネスのなかでもライフデリさんで独立をしようと思われた決め手は何ですか?
田中
複数の説明会を聞いて、本部の方の話される内容に少しずつ食い違いを感じることもありました。そんな中で、疑問に思った部分なども真摯に答えて下さり、良いことも悪いことも正直に話して下さった姿勢が好印象でした。また、エリアが空いていたということも要因の1つでした。今後のことも考えてここだったら奈良県内はもちろん、大阪にも広げていけるかなとも思いました。あとは国産の野菜を積極的に使っていることや、卸価格の設定が他に比べて低いということも魅力的でしたね。

本部の方々はちょうど同世代位の方々だったので一緒に頑張っていこうという気持ちにもなれました。

また、担当のSVさんはとても親しみやすい方です。開業当初は不安だらけだったのですが、そのSVさん自身も店長をされていた経験があり的確なアドバイスをいただけたことはとても助かりました。

本部とのエピソード
説明会の後、店舗見学の予定でしたが、ちょうど店舗が行政の指定業者になり忙しくなり始めたタイミングだったため、ビデオでの案内になると事前に連絡がありました。せっかく遠方から行くのにとあきらめきれず、少しでも見せて欲しいとお願いしました。その結果、そこまで言うのなら・・・とSVさんが別でセッティングをしてくれました。そういう対応の一つ一つもグランフーズさんの良さでしたね。

独立前と、独立後の変化

新たな仲間の加入をきっかけに、エリアも拡大。絶対に失敗できないという気持ちで乗り越えてきました。

開業されてから今まで苦労されたことは何ですか?
田合
ゼロからのスタートだったので正直お客様が増えていくのかという心配もありました。

今振り返ってみると徐々に伸びてきていることがわかるのですが、前月より下回った月もあり、そのときは本当に不安でしたね。最初、まだ受注がない時なんかは、お弁当が余るんですよね・・・それを自分たちで食べている時はいつまで食べるのかなぁとか考えた時もありました(笑)

ただやはり私達には家族もいますし、初期投資もしていますし、絶対に失敗できないなという思いはありましたので、営業先を増やしたり、営業手法を工夫したり・・・やるしかないという気持で乗り越えてきました。

田中
最初は橿原店として橿原市を営業エリアに加盟しました。もちろん急激には増えないですよと言うのは聞いていましたが、営業先でも、エリア外だったら困っている方もいるんですけど、と言われたりもして・・・最初は苦戦しましたね。

開業直後にHPを見た方がお問合わせをしてきてくださって、それがたまたま橿原市の隣の市に少し入ったところだったんですよ。ずいぶん悩んだのですが、その時は1件でも欲しかったので受けました。その方には今でもご利用いただいています。今では笑い話ですが、橿原市の受注がないのに、隣の市の配達があるなんてときもありました。

ただそこから徐々にケアマネージャーさんからお声掛けも増えて、それならばエリアを拡大しようかという話が出てきました。そのタイミングで、以前新年会で一緒に独立の話をしていた長澤が加わってくれるということになり、エリアの拡大を決意しました。開業してから半年くらいでしたかね・・・エリアを拡大した分だけ最初は非効率な配達をしていたこともあり、そこは苦労した点ですね。

やはり始めたばかりのころは受注の面で苦労することもあったんですね。では、独立をしてよかったことやビジネスのやりがいを教えてください。
田合
やっぱりお客様に喜んでもらえることは大きいですね。新しいメニューが入る時が分かりやすいのですが、例えば麺類を提供できるようになったときなんかは、お客様が自分では用意できないから嬉しいと喜んでくれましたし、別の配食業者から移ってきたお客様からお米が美味しくなったと言われた時、「待ってたよ」の一言をいただくときはやりがいを感じますね。
田中
そうですね、自分たちがやったことに対してストレートに「ありがとう」って喜んでもらえるのはやりがいですね。2年間してきた中で、実際に配達に行ったときに倒れられている方を介助して難を逃れたこととか、出て来られないので家族に連絡し、体調が悪いのがわかりすぐに対応できたこととか、・・・こういうときに自分たちが配達だけでなく、見守りをしている、役に立っているという実感がありますよね。
今だから笑える話
最初は時間もあったので1件ごとに世間話をしたりもしていました。30分とか、人によっては1時間話したこともあって、5件くらいの配達なのに2時間くらいかかったこともありましたよ。 今思えば笑い話なのですが、配達にしろ、盛り付けにしろ何であんなに時間が掛かっていたのかと思う事もあります(笑)

フランチャイズという選択

現場の声を本部がカタチに。フランチャイズでも自由度が高いことが魅力。

実際に独立を考えられたときはいろいろご覧になったと思いますが、その中でフランチャイズという選択をされた理由を教えてください。
田中
最初にSVさんに「これは家庭科ではなく、図工ができれば大丈夫ですよ」と言われたことがありました。ほぼ出来上がった状態で食材が届くので、後はいかに美味しそうに盛り付けられるかだけ。このビジネスならではですし、私は家ではほとんど料理もしませんので、そういった意味では本当に経験がなくてもできるのは間違いないかなと思います。

これだけ豊富に高齢者向けのメニューを用意したり、食事制限に対応したりするのは、個人のお弁当屋さんではできないことだろうなとも思いましたね。

異業種から参入できるといった点やマニュアルがあることはフランチャイズの特徴ですよね。
田中
一からしようと思うと本当に大変ですし、自分たちの知らないことを教えてもらえるのは大きいですね。お膳立てがある分、業務に集中できますし、困った時には相談に乗ってもらえるのは良いですね。特にグランフーズさんは、日々の業務のツールや、販促物など、現場から上がってきている声に、時間がかかっても対応していこうという姿勢がみえるので、加盟店のことを考えてくれているなということが感じられます。
もし具体的なエピソードがあればおしえていただけますか?
田中
私たちは営業に行く際にA4で1枚のニュースレターを独自で作っていたんです。営業に行く理由がほしかったので、一緒に持って行って、きっかけづくりに使っていました。それを本部にお話したら、他の店舗でも、いままで営業経験がない方などで困ってらっしゃるとのことでした。そのため同じようにニュースレターなどを使って訪問する理由を作ったらいいのではないかという話をさせていただきました。その意見をすぐに本部が吸い上げてくれて、今では全店共通でつかえるニュースレターを本部が毎月発刊してくれるようになりました。他にも「らいふコール」という、安否確認の電話システムを作ってくれるなど、現場で加盟店が信頼を築いていけるような、評価してもらえるような施策を考えてくれているなと日々感じています。
現場の声をきちんと吸い上げてくれて、加盟店全体でも利用できるというのはフランチャイズならではのスケールメリットですね。田合様もエピソードがあればお願いします。
田合
1年ほど前からですかね。お弁当を注文してくださる方に次の日の朝食用としてパンと飲み物のセットを提供できるようになったんです。これは業界最安値の価格設定なので、営業の際にも謳い文句として利用できています。

期間限定で新茶を提供したりするときもあって、そういったいろんなアイテムがあることは私たちにとってはありがたいことですね。お客様自身も自分では買いに行ったりできないから嬉しいと言っていただいて、そういった良いものを、スケールメリットを利用して安く提供してくれるところはすごく助かっています。

業界のお話が出てきたのでお伺いしたいのですが、競合他社があるなかでライフデリさんをオススメする理由は何でしょうか?
田中
加盟店を大事にしているところですかね。たとえば隣のエリアに出店希望者が出た場合でも一声かけてくださって、優先的に考えてくれますし、加盟店のことを考えてくれているなと実感できますね。

またグランフーズさんは加盟店の自由度も高くて、本部の提供するお米もあるのですが、実はうちの弁当に使っているお米は田合の故郷の両親や地元の方が作っているものなんです。

フランチャイズによっては規制が多いところもあるかも知れないのですが、グランフーズさんはその他の取扱い商品やサービスなど、自分たちで決められることの幅も広いので、そのあたりもやりやすさを感じています。もちろん一言許可を取る必要はありますけどね。

自由度が高いというのは選ばれる1つのポイントになるかもしれないですね。実際に開業されてからもいろいろなサポートを受けられたと思いますが、どのような印象をお持ちですか?
田合
最初の研修のときにSVさんが同行してお手本も見せてくれましたし、訪問先のリストもいただきました。もちろんサポートはしっかりとしてくれますが、本部がなんでもしてくれるというわけでもないです。研修期間は2日間だけで、SVさんが来てくださって盛り付けから何から教えてもらうのですが、2日だとやはり限界もありますよね。

そのため、そこからは徐々に自分たちで身につけていくといいますか、やはり、自分で切り開いてやっていくという気持ちがないといけないと思いますね。

田中
本部の方もはじめに自分たちでやってくれるような方ではないと難しいですよと言ってくれていました。仕事の大変な面もすごく正直に話してくださったので信頼はできるなと感じていました。

開業するときも、開業費用が必要最小限で収まるように、店舗の探し方や店内のレイアウト、備品の購入についても一緒に考えてくださったりもして、そういう姿勢も好印象でした。

お話を聞いていますと加盟店様のことをしっかりと考えてくれる一方で、独立という言葉をしっかり意識させてくださるところもあって、本部と加盟店様が対等な関係なのだなと改めて感じました。

今後の目標を教えてください

奈良県全域にエリアを拡大。複数店舗経営をしていきたいです。

いろいろなお話をお伺いしてきましたが、最後に今後の目標を教えていただけますか?
田中
まずは現在のエリアで食数を伸ばし、密度を上げること、その後は多店舗展開をしたいなと思っています。

一店舗から行ける距離は限られているので、店舗を増やして奈良県の主要なエリアは全部見て行きたいなと思います。ケアマネージャーさんたちはいくつかの市町村を掛け持ちで担当されているので、現在お世話になっている方のお客様でも対象外の人もいたりします。そのためエリアを広げて対応していけるようになりたいですね。配食だったらライフデリさんと言われるようにがんばっていきたいと思います。

田合
私もそうですね。最初にする!と決めた時から奈良県はもちろん、早く大阪にも進出したいと考えていました。多店舗展開をして新しいお客様と出会えるのは楽しみですね。

あとは、お客様である高齢者さんは買い物の代行をヘルパーさんに頼んだりしているのですが、品目に制約があったり、他の生活援助の時間が削られるという問題もあるので、弁当の配達と一緒に提供できたらなと思ったりしますね。

田中
田合も私も新しいものを探したり、勧めたりするのが好きなんですよ。配達ルートはすでにあるので、生活の楽しみとか、健康のサポートになるような商品やサービスも一緒に提供できたらいいなと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました!